100年先もこの地で美味しいワインをつくり続けるために
気候変動は避けて通れない課題であり、登美の丘ワイナリーのぶどうづくりやワインづくりにも大きな影響を与えています。例えば、温暖化がぶどうの品質を低下させると、ワインの色が薄くなり、酸や香り、味わいが乏しくなってしまいます。このような課題に対応するため、私たちは2021年から「副梢栽培」という新しい栽培方法に取り組んでいます。
副梢栽培とは、ぶどうが通常4月ごろに芽吹き、新梢として育ち9月ごろに収穫を迎えるところを、新梢の先端をあえて切除し、その後に芽吹く脇芽を育てる方法です。これにより、ぶどうの成熟開始時期を7月中旬から気温の下がり始める9月上旬ごろに遅らせ、熟期をずらして11月中旬ごろに収穫できるようにします。
これによって、凝縮感のある果実味と上品な酸が残る高品質なぶどうを収穫することができます。
気候変動対策に高まる関心
副梢栽培には新芽の先端を切除するリスクがあり、手間と時間もかかる作業ですが、より品質の良いぶどうを育て、おいしいワインをつくるという思いから、年々副梢栽培の面積を増やしています。
この取り組みは社内でも注目を集めており、ぶどうの栽培や収穫にはサントリーグループの社員がボランティアとして参加し、この栽培を後押ししています。(昨年は延べ約560名の社員が参加しました。)
また、ワイナリーが運営する会員制度「FROM FARM Club」では、この2年間、副梢栽培の体験ツアーを実施しており、毎回すぐに定員が埋まるほどの人気です。気候変動に対する関心の高さがうかがえます。
副梢栽培で掴んだ品質への確かな手ごたえ
副梢栽培によって生み出されたぶどうは実際のワインの品質に大きな影響を与えつつあります。
銘柄に「副梢栽培」の名を冠した初のワイン「ワインのみらい 登美の丘 シャルドネ 秋風の成熟2022(副梢栽冠ぶどう使用)」は程よい果実の厚みはありながら、フレッシュ感も感じさせる独特の味わいで、ワイナリーに訪問されるお客様からも高い評価をいただいています。
また、ワイナリーのフラッグシップでありシンボルでもある最高峰の「登美」シリーズでも、昨年リリースされた「登美 シャルドネ 2023」「登美 赤 2021」には副梢栽培のぶどうがブレンドされてその高品質を支えています。
この副梢栽培の取り組みを担う登美の丘ワイナリー栽培担当の志賀樹はこう言います。
「副梢栽培はまだまだスタートラインに立ったばかりで、今は新たな気づきや発見を次々と得られており、毎年試行錯誤を積み重ねながら副梢栽培を探究している日々です。」
これからも、100年先もこの地で美味しいワインをつくり続けるために、気候変動への挑戦は続いていきます。
サントリーのサステナビリティ活動の最前線を紹介する「サステナビリティストーリーズ」で、「副梢栽培」の取組みがピックアップされました。
>>「サステナビリティストーリーズ」の記事はこちら
FROM FARMのサステナブルな取組