つくり手の想い
畑のある立科町は長野県の東信エリアに位置し、標高780m、2016年~2018年植付の若い畑です。主要品種は甲州で、サントリーの自社管理畑の中でも標高の高い場所に位置しています。
土壌は浅間山が噴火して堆積した火山灰由来の強粘土質土壌のため水はけが悪く、降雨後、農業機械走行時にわだちが形成されやすい土壌となります。
2021年に初めて単独商品をリリースしており、2022年は2回目のヴィンテージになります。
2022年は病気や害虫に悩まされた年となり、ぶどう収穫量は予想していた数量の約10分の1にまで落ち込みました。それでもぶどうの完熟を待ち、霜が降りはじめた10月末に収穫を行い、約600本のワインが完成しました。
甲州と言えば山梨県が有名ですが、冷涼地であらたな甲州の可能性を追求したいという想いをもとに、この長野県立科町という新たな土地で作られた甲州は従来とはまた違った側面を見せてくれます。
爽やかな酸味とライムなどの柑橘系の果実香が特長ですので、口中の香りや味わいを楽しみつつ、立科町甲州の今後の展望にご期待下さい。
塩尻ワイナリー 栽培家 関千奈美