2021年1月12日、登美の丘ワイナリーにも初雪が降りました。みぞれまじりの冷たい雨が次第に白いかたまりとなって落ちてきて、一面雪景色となりました。
翌日には天気は回復し、場内をあちらこちら見てみると…。ワイナリーの正門横やぶどう畑に降り積もった雪の中に、たくさんの動物たちの足跡を見つけました。普段よりも静寂なワイナリーですが、動物たちは姿は見えなくとも活発に動き回っているようです。
そして、1月13日には「剪定始め式」を執り行いました。
例年節目行事には必ず、場内にお祀りしている「お稲荷様」と「水神様」を参拝します。この二つの場所は登美の丘ワイナリーにとって、とても大切な場所です。今年も剪定式に先立ってお参りしました。
「お稲荷様」はもともと別の場所にあった｢狐の洞穴(寝床)｣を神聖化し皆で参拝するようになっていましたが、 東日本大震災で被災し崩れてしまい、平成20年に正式に場所を移して稲荷神社を創建しました。
「水神様」は1984年の台風被害や水不足へ苦心への対応として唯一の水源であった岩沢(がんさ)に祀り祈願するようになりました。もともと、登美という地は水がなく水源に乏しい土地です。（登美の地は、かつて「赤シャツ」と呼ばれたこともあったそうです。水が無く、洗濯しても赤土の色が取れないことからそう言われたとのことです。）
醸造所の水は雁沢からとるか、牛車で運んで来るしかありませんでした。井戸を探していて、やっと今のところに掘りあてました。それ以来水の大切さや井戸の水源を守るために「水神様」としてお祀りしたそうです。
余談ですが、当時近隣でのお産の際に、この水神様の水を産湯に使って健康に育ったという方がいて、ずいぶんと有難がり、毎年誕生日にお稲荷様と水神様にお礼参りにこられていたそうです。
「剪定始め式」は畑の見える展望デッキに移動して執り行いました。年明け最初の畑作業定を始めるに当たり、今年一年の作業の安全と品質の高いぶどうづくり、ワインづくりができるようにと祈願します。いつもは場内のスタッフが一堂に会して行いますが、今年は新型コロナウイルス感染防止策として、代表者が参集しソーシャルデイスタンスをしっかり取りながら実施しました。ワイナリーを囲むまわりの山々も綺麗な雪景色。太陽の光を浴びてキラキラと輝き、より一層厳粛な雰囲気の中で神事は進み、参列者一同気の引き締まる想いで新しい年への誓いをたてました。
神事の後には、庄内ワイナリー長からは「新体制の下一人一人の力を集めて世界を感動させるぶどうづくり、ワインづくりをしっかりとやっていきましょう。そのためには、まずは健康・安全第一でお願いします。」
大山技師長からは「コロナや温暖化など様々なハードルはありますが、私たちには相談できる仲間がいます。今年も力を合わせて頑張りましょう。」と力強い挨拶がありました。
そして最後は畑に移動し、皆でご神木に皆で鋏を入れました。「剪定」はその年の、さらにはその先のぶどうの品質を決め、収穫量をコントロールするうえで非常に重要な作業です。秋に素晴らしい実りを得られ、そして美味しいワインができること祈念して、一連の儀式は滞りなく執り行われました。
2021年、登美の丘ワイナリーの一年が始まりました。
今年も美味しいワインをお届けできるよう、力を尽くして参ります。どうぞご期待下さい！
